前回、行政行為によって損害を受けた場合に、
その救済を目的とした不服申立てまたは訴訟ができるとご紹介しました。
ただ、あくまでも「事後的」な救済であり、これでは間に合わない場合も想定されます。
そこで、初めから公正な行政行為を行えるよう定められたのが、行政手続法です。
今回は、行政手続法の概要について解説したいと思います。

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行政手続法の目的
この法律の目的は、
行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益を保護することです。
前述の通り、違法または不当な行政行為による損害を事後的に救済していては間に合わない場合もあります。
そのようなことがないよう、予め公正の確保と透明性の向上を図ろうということです。
ただし、行政手続法は「一般法」ですので、他の法律に特別な定めがある場合には、そちらが優先されます。
対象は?
行政行為を行う上で必要な手続きについて規定をしていますが、全てのものが対象というわけではありません。
対象は、以下の4つの行為に限定されています。
- 処分(申請に対する処分と不利益処分)
- 行政指導
- 届出
- 命令等の制定
ここでご注意頂きたいのは、この4つに当てはまればOKではないということです。
上記4つにあたる行為であっても、行政手続法が適用されない場合があります。
適用除外とは?
上記4つの当てはまるものの、適用されないものを適用除外といいます。
何が適用除外に当たるものは数多く規定されています。
ここでは割愛しますので、詳細は行政手続法3条または4条をご確認ください。
大まかにまとめると以下の通りです。
- 行政手続法の適用に馴染まない行為
- 地方公共団体の機関の行為
- 国の機関等に対する行為
- 特殊法人等に対する行為
まとめ
いかがでしたでしょうか。
概要をまとめると図のようになります。
繰り返しになりますが行政手続法の目的は、
行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益を保護することです。
今回は法律の目的を大まかに捉えていただければOKです。
次回は、行政手続法の対象となるものについてもう少し深掘りしたいと思います。
では、また!