前回は、市場の大きな流れを確認するのに活躍する指標をご紹介しました。
日経平均、TOPIX、ダウ平均などがありましたね。
「どういう指標なのかはわかったけど、どの株を買うべきか判断できないじゃん」
という方のために、今回は個別銘柄の分析に使える代表的な指標をご紹介します。

早稲田大卒⇨東証1部上場企業の社畜営業マン。会社の看板なしでも活躍できるスキルを得るため、資格取得を通じて効率的な勉強法を模索中。取得済資格 【行政書士、ビジ法2級、FP2級、AFP、ITパス】
PER(株価収益率)
いきなり英語が出てきて嫌だなあと思われるかも知れませんが、至ってシンプルな指標ですので安心して読み進めてください。
PERとは、日本語では株価収益率と言ったりもしますが、要するに「株価が1株当たりの純利益の何倍にあたるか」という指標です。
PERは株価を1株当たりの純利益で割ると算出できます。
そして、1株あたりの純利益のことをEPSと呼びます。
EPSは税引後の純利益を発行済株式割ると算出できます。
いちいち計算するのめんどくさいよ!
と思うかも知れませんが、株価情報を見れば記載がありますので大丈夫です。
で、この指標で何がわかるの?
という本題ですが、PERは低ければ低いほど利益水準の観点から割安と判断できます。
ただ、注意点としては、同じような業界や事業内容の似ている企業同士を比較するようにしてください。
車とバイクで燃費の比較をしても意味がないのと同じです。
参考までに、東証一部の平均PERは16.6倍です。
PERは大型株か中型株かによっても異なりますし、製造業か否かでも異なります。
繰り返しになりますが、同じような業界、業種で比較するようにしてください。
PBR(株価純資産倍率)
続いてPBRですが、PBRとは「株価が1株当たりの純資産の何倍にあたるか」という指標です。
純資産とは、総資産から負債を引いて残ったものを指します。
わかりやすく個人で考えてみましょう。
貯金100万円、借金30万円だとすると、総資産は130万円です。
ここから負債の30万円を差し引いて残った100万円が純資産になります。
1株当たりの純資産は、総資産を発行済株式数で割れば算出できます。
で、この指標で何がわかるの?
ということですが、PBRは低ければ低いほど資産価値の観点から割安と判断されます。
参考までに東証一部のPBR平均を見てみましょう。
PBR1倍というのは、株価が会社の資産価値と同じと言うことになります。
基本的には1倍を目安に株価の安値水準を探ることになりますが、中には1倍を下回る銘柄も存在します。
これは、会社の資産価値よりも株価が低い状態ということなので、大変割安な水準にあるということです。
ただ、注意点ですが、赤字経営などによる株価下落によってPBRが1倍以下の可能性も十分にあります。
PERや業績等、他の判断材料も合わせて検討することが重要です。
ROE(自己資本利益率)
続いてROEですが、ROEとは「株主から預かった資金でいかに効率よく利益をあげたか」をはかる指標です。
わかりやすく個人で考えてみましょう。
100万円の元手で株式投資をしたとします。
1年後に配当金や値上がりを含めて110万円になったとします。
ここでいう100万円が、会社でいうところの株主から預かった資金にあたります。
1年後に10万円の利益が出ましたが、これが会社でいうところの純利益です。
この場合で計算すると、10万円/100万円*100で、ROE=10%となります。
PERやPBRは「低ければ低いほどよい」という指標でしたが、ROEは「高ければ高いほどよい」というものになります。
どれだけ効率よく稼いだか?を計算していることを考えれば、理解できるかと思います。
参考までに、日米欧のROE平均をみてみましょう。
日本もここ最近は検討していますが、欧米企業の強さが目立ちますね。
日本企業への投資であればROE10%以上の企業を対象とするもの1つの戦略になるかも知れません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
実は今回ご紹介した指標は1つの数式で表すことができるのです。
株式投資はもちろん、決算発表等でもよく目にしますので、覚えておいて損はない指標です。
これらを参考に、お気に入りの企業を分析してみてはいかがでしょうか。
数をこなせば「相場」がわかってきますので、だんだん楽しくなってきますよ!
では、また!