今回は労災保険について解説したいと思います。
労災保険とは、労働者が業務上あるいは通勤中に、怪我や病気をした(死亡を含む)場合に、労働者やその家族に生じた損失を補償しようというものです。
労働者の雇用形態は関係ありませんので、パートや日雇いでも対象となるのが特徴です。
受けられる補償も多岐に渡りますので、覚えておいて損はないかと思います。

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労災保険の対象者
労災保険とは、労働者が業務上あるいは通勤中に、怪我や病気をした(死亡を含む)場合に、労働者やその家族に生じた損失を補償しようというものです。
労働者を1人でも雇用している事業所は強制加入となり、雇用形態は問いませんので、
正社員はもちろんアルバイトやパート、日雇労働者なども加入対象となります。
保険料は事業所が全額負担しますので、労働者の自己負担はありません。
ほとんどの労働者が加入対象ですが、以下の職種は対象外となります。
- 自営業者
- 公務員
- 同居の親族など
給付の内容
給付を受けることができるのは、業務上または通勤に関わる怪我や病気等(死亡含む)になります。
給付の額は、給付基礎日額を元に計算されます。
給付基礎日額とは、労災発生日の直前3ヶ月の平均賃金÷その期間の日数で求めます。
療養給付
自己負担なしで、労災病院や労災指定病院等で療養することができるものです。
上記以外の医療機関で療養する場合には、療養費全額の支給を受けることができます。
休業給付
休業して4日目から給付基礎日額の60%相当額が支給されるものです。
期間は1年6ヶ月となります。
傷病給付
療養を開始して1年6ヶ月を経過しても治癒せずに、傷病等級1-3級に該当する場合に支給されます。
1年6ヶ月までは休業給付が支給され、それ以後上記に該当する場合には、傷病給付へ切り替わるイメージです。
怪我や病気が治癒せずに傷病等級にも該当しない場合には、休業給付が継続されます。
障害給付
業務上の怪我や病気が治ったあと、障害等級に該当する場合に支払われるものです。
障害等級1-7級に該当する場合、年金形式で給付基礎日額の313日から131日分が支給されます。
障害等級8-14級に該当する場合、一時金払い方式で給付基礎日額の503日から56日分が支給されます。
介護給付
障害補償年金または傷病補償年金の受給者が一定の障害によって介護を要する場合に支給されるものです。
介護の費用の全額またはその一部が支給されます。
遺族給付
労働者が業務上の理由で死亡した場合、給付基礎日額の245日から153日分が年金形式で支給されるものです。
年金を受け取る遺族がいない場合には、一時金として給付基礎日額の1000日分が支払われる場合もあります。
葬祭給付
労働者が労災によって死亡し葬儀を行う場合に支給されるものです。
315,000円に給付基礎日額30日分を加算したものが最大額となります。
特別加入制度
前述の通り、自営業者や家族従業員などは労災保険の対象外となりますが、中小事業主や一人親方、海外派遣者などは業務状況からも労働者に準じて保護すべきであるため、労災保険への任意加入が認められています。
これを特別加入制度といいます。
保険料はそれぞれ異なりますが自己負担しなければなりません。
保険料は以下の計算式で計算されます。
保険料=保険料算定基礎額(給付基礎日額×365のこと)×保険料率
中小事業主等
当該事業に適用される労災保険料率と同じです。
一人親方等
業種により異なるが、個人タクシーは0.0012%、建設業の一人親方は0.018%となっています。
海外派遣者
一律で0.003%となっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
厚生年金や雇用保険などは毎月天引きされていますが、労災保険料の自己負担はありません。
労災は起こってはならないものですが、万が一に備えた制度が用意されていることを知っておいて損はないと思います。
次回からは老後2000万円問題で話題になった年金制度について取り上げたいと思います。
では、また!