前回(第23回 年金制度の概要 )は、年金制度の全体像と給付内容について解説しました。
受けられる給付はわかったけど、結論いくらもらえるの?
という疑問を解消できるように、どのような場合にいくらもらえるのか解説していきたいと思います。
詳細な受給要件などは別の回で解説しますので、今回はざっくりと概要をお伝えしていきます。

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老齢給付
老齢給付とは、前回も解説しましたが、皆さんがイメージするザ・年金です。
老後2000万円問題も記憶に新しいかと思いますが、原則65歳になると一生涯支給されるものになります。
給付額については、老齢基礎年金の場合、満額で781.792円/年ですので、月額6万5000円ほどになります。
会社員や公務員の場合は、厚生年金もありますので、支給額がさらに上乗せされます。
勤めていた期間の収入によって受給額が変わりますので、参考までに1例をお示しします。
標準報酬月額43.9万円で40年間勤務していた場合、夫婦2人分の標準的な年金額は2,648,688円/年となっています。
これには2人分の老齢基礎年金も含まれています。
月額にすると22万円ほどになります。
22万円あれば贅沢はできないかも知れませんが、最低限は生活していけそうですね。
ただし、リタイア前の生活水準を年金だけで維持するのは難しいことも事実です。
不足分は労働を継続するか、資産運用などによって収入を得る仕組みを作っておく必要がありそうです。
障害給付
障害給付とは、病気や怪我で障害が残ってしまった場合に支給されるものですが、
国民年金と厚生年金では支給内容が異なります。
障害基礎年金
障害等級は1級か2級のどちらかになります。
1級の場合は977,125円、2級の場合は781,700円が支給されます。
上記に加えて18歳到達年度までの子供がいる場合には、1人につき224,900円が加算されます。
ただし、3人目以降は75,000円の加算となりますのでご注意ください。
障害厚生年金
障害等級は1級、2級、3級に分かれています。
各等級でもらえる金額が異なりますが、人によっても異なりますので、計算式を掲載しておきます。
- 1級の場合:障害基礎年金(977,125円)+子の加算+報酬比例の年金×1.25+配偶者加給年金
- 2級の場合:障害基礎年金(781,700円)+子の加算+報酬比例の年金+配偶者加給年金
- 3級の場合:報酬比例の年金
報酬比例の年金とは、老齢厚生年金の報酬比例部分と同じ計算になります。
詳細は別回で解説しますので、今は理解できなくても大丈夫です。
配偶者加給年金は、1級または2級の場合に224,900円が加算されるもので3級では支給されません。
なお、障害等級3級よりも軽い場合には障害手当金として報酬比例の2年分(最低でも約110万円)が支給されます。
遺族給付
遺族給付は、被保険者の死亡時、生計を共にしていた遺族がいる場合に支給されますが、遺族基礎年金と遺族厚生年金では「遺族」の範囲が異なります。
遺族基礎年金では、配偶者と子が対象ですが、遺族厚生年金では、配偶者と子(1位)に加えて、父母(2位)や孫(3位)、祖父母(4位)も対象とされます。
もちろん全ての遺族に支給というわけではなく、支給順位が決まっています。
それでは支給額をみていきましょう。
遺族基礎年金
子のある配偶者が受け取る場合は、781,700円+子の加算
子が受け取る場合は、781,700円+2人目以降の子の加算となります。
遺族厚生年金
老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3とされています。
仮に、標準報酬額35万円で平成15年以降に被保険者となった場合は約45万円となります。
中高齢寡婦加算
夫の死亡時に40歳以上65歳未満で、生計を同じくする子がいない場合に支給されるもので、遺族厚生年金に586,300円が加算されます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
毎月の保険料を払っているものの実際いくらもらえるの?という疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
正確な数値は細かい計算をしなければなりませんので割愛しますが、概要だけでも知っておいて損はないと思います。
これを多いとみるか少ないと見るかは皆さん次第ですので、資産形成・人生設計の参考になれば幸いです。
では、また!