今回は「これだけは知っておきたい「生命保険」の常識と選び方」のBookレビューをしていきたいと思います。
皆さんは「生命保険」について詳しいですか?
言われるがまま加入していませんか?
実は、きちんとプランを選んで加入しないと、損をするケースがあります。
損をしないためには勉強するしかありませんが、いきなり専門書を勉強するのは酷かと思います。
本書は、基礎知識がない方でも理解ができるように、丁寧に解説がされています。
安心して読み進めてください。
著者情報
都倉健太(とくら・けんた)
保険代理店・東京プロビジョン株式会社・代表取締役。
ファイナンシャル・プランナー。
兵庫県神戸市出身。東京都立川市在住。
大阪市立大学を卒業後、三井海上(現・三井住友海上)に入社。
査定部門を経て営業部門に配属され、数多くの代理店の教育指導を担当した。
平成16年、保険代理店の理想像を実現するために東京プロビジョン株式会社を設立。
豊富な商品知識と業務経験をもつ保険会社のOB・OGを集結させ、これまでにない保険代理店として業界の注目を集める。
現在は本業の傍ら、同業他社の保険代理店への教育指導や、保険関連のセミナー、資金繰り・事故防止などの各種セミナー活動にも積極的に取り組んでいる。
業界の表も裏も知り尽くした著者が、徹底的に消費者目線に立ったアドバイスをまとめたのが本書である。
著書に『保険会社の社員が家族にしか教えない“本当”の保険の選び方』(東洋経済新報社)がある。
本の概要
本書の構成は以下の通りです。
- そもそも生命保険ってナニ?
- 生命保険の「しくみ」はどうなってる?
- 生命保険にはどのような商品タイプがある?
- 自分にあった生命保険を「選ぶ」ポイントは?
- 生命保険に「入る」「やめる」ときの注意点は?
- 保険金・給付金を有利に「もらう」コツは?
各章のタイトルだけ見ればお分かりいただけるように、およその基礎知識を得ることができる内容になっています。
そもそも生命保険ってナニ?
これが最初にして最大の山ですね。
そもそも生命保険ってなんですか?
私はFPの勉強をしている時、苦手としていた分野でもあります。
当時は学生でしたし、生命保険なんて縁もゆかりもなかったので、かなりとっつきにくかったの覚えています。
そもそも保険とは、「万が一に備えて、助け合いの精神から生まれた保障の制度」のことを指します。
これは国が運営する公的保険と民間の保険会社が運営する民間保険の2つに大別されます。
保険のセールスが販売しているのは後者の保険で、
- 生命保険(人の生死に関わる)
- 損害保険(事故や災害に関わる)
- 医療保険・介護保険(治療費や通院に関わる)
などの種類があります。
生命保険の4つの目的
生命保険に加入する主な目的は以下の通りです。
- 遺族の生活に必要なお金の準備
- 病気や怪我の医療費の準備
- 老後の生活資金の準備
- 介護に必要なお金の準備
上記の項目に該当する方は、生命保険に加入するメリットがありますが、該当しない方は必ずしも入る必要はありません。
既婚で子持ちなら、遺族の生活に必要なお金と入院などに伴う医療費は準備しておいた方が良さそうです。
一方、20代で独身ということであれば、医療費のみ準備しておけば当面は問題ないだろうと考えることができます。
保険のセールスの言われるがままに保険に加入すると、必要以上の保障が付加されてしまい、結果として高額な保険料を支払うということになりかねません。
ご自身に必要な保障内容を吟味することが重要です。
自分に必要な保障内容とは?
ここでは、生命保険の死亡保障を例にしたいと思います。
ステップ① 遺族の将来の支出を把握する
まず、自分がいなくなった時、残された家族が生活していくにはいくら必要か算出します。
支出については、
- 生活費
- 教育費
- 住宅費
この辺りが大きな割合を占めると思います。
生活費は現在の7割程度を目安にします。
教育費は私立か公立かで差が出ますし、住宅費は持ち家か賃貸かで大きく異なります。
持ち家の場合、団体信用生命保険に加入していれば、住宅ローンの債務者が亡くなった時、ローン残債を生命保険会社が肩代わりしてくれますので、必要保障額の算出において考慮すべき項目です。
ステップ② 遺族の将来の収入を把握する
次に、将来遺族に入ってくるであろう収入を考えます。
およそ以下のようなものが想定されます。
- 遺族年金
- 老齢基礎年金
- 死亡退職金
- 弔慰金
- 遺族の労働収入
必要保障額を増額するのは簡単ですが、その分保険料も高額となります。
保険は「万が一に備える」ために加入するのが本来の目的です。
高額な保険料を支払うために、残業をしたり、節約したりするのは本末転倒です。
ステップ③ 現在の資産を把握する
ここまでくればもう少しです。
現在の資産を把握しましょう。
貯金はもちろん、金融資産や不動産なども含めてどの程度あるのかを確認します。
いよいよ必要保障額の算出です。
以下の式に当てはめてみましょう。
①将来の支出-(②将来の収入+③現在の資産)=必要保障額
まとめ
いかがでしたでしょうか。
生命保険は複雑なように見えるだけで実は意外とシンプルです。
基本的には「主契約+特約」といったような構成になっています。
セールスに言われるがまま、保険に加入してしまうと、必要以上の保障額に対して高額な保険料を支払うことになりかねません。
実際、会社の後輩に相談をされたことがあり、契約内容を確認したところ、私の数倍の保険料を支払っていました。
「全然お金がないんですよ」と言っていた理由の一つが判明した瞬間でした。
現代社会を生き抜く最強の武器は知識武装です。
ではまた!