今回は「 ゼロから始める不動産投資」のBookレビューをしていきたいと思います。
不動産投資については初心者でしたが、内容は十分理解することができました。
不動産投資のメリット・デメリットはもちろん、その仕組みや注意点まで、網羅的に学べる一冊となっています。
著者情報
市川周治(いちかわ・しゅうじ)
株式会社ウェーブハウス代表取締役。
不動産投資のプロフェッショナル。
1967年生まれ。20歳のときに宅建資格を取得。
1988年、不動産業界(賃貸仲介業)の世界に飛び込む。
入社後、まもなくバブル時代に突入。
「土地を買収して転売することで、一晩で億単位の金が儲かる世界」を目の当たりにする。
当時の不動産会社は、提供できる情報にもかぎりがあり、しかも、業界として本当にいい物件情報は、公になる前に水面下で取引をしてしまうのが現実だった。
そうした不動産業界の状況に風穴を開けたいと考え、「本当にいいものを消費者に提供するために、不動産業界の旧態依然とした業態をぶちこわそう」と決意。
1993年、有限会社ウェーブハウスを設立、代表取締役に就任。
本書の概要
本書は以下のパートで構成されています。
- 自分の家を買う前に人の家を買うべき3つの理由
- 堅実に資産を増やす!不動産投資の王道4ステップ
- 知っておくべき!投資の回収を早める5つの知識
- 損をしないためのリスクを回避する9つの戦略
- お宝物件を手に入れる7つの秘策
- 「廃墟物件」を「優良物件」に変える3つの技術
- レバレッジを利かせる3つの融資攻略法
各章の冒頭は漫画になっていますので、本題に入る前の状況を把握しやすくなっています。
不動産投資のメリット
不動産投資と聞くと、大金持ちにしか縁がないようなイメージがあるかと思いますが、全然そんなことはありません。
不動産投資は自己資金なしでも銀行から資金調達が可能だからです。
「株式投資をしたいからお金を貸して欲しい」と銀行にお願いしても絶対に貸してくれませんが、不動産投資なら融資を受けられる可能性があるのです。
(自己資金があるのであればそれに越したことはありません。)
また、不動産投資を始めるにあたっては、会社員は有利な立場にあります。
特に、上場企業などの大手の社員であれば、安定度も高いと判断されるので融資を取り付けやすいそうです。
したがって、不動産投資が軌道に乗って十分な純資産を築くまでは、会社員として一定の収入を得ながら生活するのが一番安全なのです。
ただ、そうは言ってもやはり、少しでも自己資金があった方がスタートを切りやすいのもまた事実です。
物件の購入時には、物件価格の5%ほどが諸経費として必要になりますので、最低でも200万円は用意しておきたいところです。
もし仮に、自己資金が600万円以上あると、不動産投資で成功する可能性がグンと高くなります。
2000万円の1棟もののアパートを1400万円の銀行融資で買い付けることができます。
10年ローンを組めば3年後には残債が7割に減るので、それを担保に次の物件の購入資金を融資してもらうことも可能になるのです。
不動産投資のデメリット
不動産経営をする上で最大のリスクは空室が出ることです。
入居者がいない状態では、当然ながら家賃収入はゼロです。
毎月のローンや管理費、固定資産税などの支払いをしなければならないため、キャッシュフローがマイナスになる可能性もあります。
では、入居者がいれば良いのかというとそういうわけでもありません。
騒音やゴミ出し、ペットなど、人が引き起こすトラブルは物件の価値を下げることになりますので、慎重に対策をとる必要があります。
そのほかにもリスクはまだあります。
購入した物件に欠陥が見つかった場合には修繕費用が発生しますし、売却しようと思っても買い手がつかなければ現金化することはできません。
また、通常はローンを組んで物件を購入するかと思いますが、金利が上昇すると借入金も上昇して返済額が大きくなり、キャッシュフローが悪化します。
このように、不動産投資にはデメリットが数多く存在するのです。
ただ、これらのデメリットを知っているかどうかが大きな差を生みます。
リスクとなり得ることを把握していれば対策を打つことができるのです。
まとめ
本書では、不動産投資のメリットやデメリットはもちろん、想定されるリスクとその対処法まで広く網羅されています。
また、各章の終わりには、不動産投資の体験談としてコラムが掲載されており、事業家や会社員、コンビニオーナーまで様々な事例が紹介されています。
何事も勉強が大切と言いますが、読み終わって感じたことは、不動産投資は奥が深いということです。
勉強を続けるのは当たり前として、経験値が物をいう世界なのだと想像します。
この一冊をきっかけに不動産投資の勉強をスタートしてみたいと思います。