今回は「ETF投資の教科書-長期投資で資産を築く-」のBookレビューです。
今年は、資産運用を本格的に加速させようと思っています。
とは言うものの、元手が潤沢ではありませんので、個別株での勝負は時期尚早と言わざるを得ません。
そこで、若者の最大の武器である「長期投資」のためにETFについておさらいしてみました。
著者情報
佐藤 茂(さとう・しげる)
東京大学理学系研究科修士課程修了。理学修士。
米系ヘッジファンドにてオプショントレーダーとなる。
米証券取引所にてマーケットメーカー(常時オプションの買値と売値を提示し、取引の流動性を保証する責任を負った証券取引所指定の自己勘定トレーダー)を務めた経験を持つ。
オプションに限らず、株式、為替、債券、コモディティなどありとあらゆる資産およびそのデリバティブをトレードしている。
そもそもETFってなに?
ETF(Exchange Traded Funds)は、上場投資信託のことを指します。
ETFは対象となる資産(日経やTOPIXなどの株価指数や金や原油などの商品)と値動きが同じになるように組成された株式のようなものです。
個別株(例えばトヨタ)と同様に証券取引所で取引されますので、証券講座があればすぐに取引が可能です。
個別株を100万円買うよりも、日本株全体を100万円買う方がリスクを分散することができます。
ここで言う「日本株全体」というのが「日経平均」や「TOPIX」と呼ばれる株価指数に連動するETFということになります。
今までは、投資信託を買うしか方法がありませんでしたが、ETFの登場によって安い手数料で柔軟な取引が可能になりました。
投資信託と何が違うの?
ETFとよく似たものに「投資信託」があります。
ETFは株式と同様に取引時間中であればいつでも取引できるのに対し、投資信託は1日1回公表される基準価格で、証券会社指定の時間内でしか取引ができません。
また、投資信託はETFに比べて手数料が割高になる傾向があります。
つみたてNISAの対象外となっている投資信託については、販売時の手数料で2-3%かかるものもあるのです。
要するに、投資信託を購入した時点で2-3%の損失を抱えるということですので、注意が必要です。
ETFの種類
ETFは、そのパフォーマンスが何の価格と連動するかによって、5種類に分類することができます。
株式型
株式価格に連動したETFで、日経やTOPIXなど国内株式指数に連動したものや、海外株式指数に連動したものがあります。
また、株式市場における特定の業種や、特定のリスクファクターのパフォーマンスに連動したETFも存在します。
債権型
債権価格に連動したETFで、国内債権に連動したものや海外債権に連動したものがあります。
債権の種類も様々で、国際や社債、また海外にはアメリカの住宅ローンや地方債を保有するETFなどもあります。
リート型
リート価格に連動したETFで、国内リートに対応したものや海外のリート価格に連動したETFがあります。
商品型
商品価格に連動したETFで、金や原油、小麦や大豆の価格に連動したものなどが存在します。
レバレッジ型/インバース型
デリバティブを用い、株式や商品など、特定の対象資産のパフォーマンスの2倍やマイナス1倍に連動したものです。
まとめ
本書は、ETFの基本はもちろん、上記でお示ししたETFの種類ごとに詳細な解説がなされています。
人生100年時代が現実味を帯びてきましたが、私たち若者世代が幸せに暮らしていくには、お金の不安をなくすことが大変重要です。
「毎日節約して貯金するぞ!」と意気込んでも、私のようにサラリーマンをしていてはそもそも収入に限界があります。
宝くじが当たったり、起業して成功したり、親から莫大な遺産を引き継いだりできれば最高ですが、そんな幸運に恵まれた人は一握りです。
限られた収入を元手として、いかに資産を拡大しなければなりません。
大富豪やプロトレーダーに対抗するには、ETFによる長期投資は最良の策となり得るのです。